2015年04月10日

温泉というもの。。。

温泉と言うのは千差万別。
泉質や成分量はもちろん、湯の取り込み方や使用の仕方もそれぞれ。

家の温泉は昔で言う硫化水素泉。現在の泉質名は含硫黄―カルシウム・マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)というなが〜〜〜い名前なりました。
先日乳頭温泉で起こった湯守さんの不幸な事故がありご存じの方も多くいらっしゃると思います。
硫化水素は空気より重く窪みに溜まる。冬期間はその窪地に雪がかぶり雪の落とし穴の状態になったのかもしれません。。。大変残念な事故です。

硫化水素泉というのは、温泉の成分の総硫黄の内、遊離硫化水素の値が多いものにつきます。
因みに、温泉成分の溶存物質の総量が1000mgで総硫黄が2mg以上のものは単純硫黄泉。家の場合溶存物質が3489mg、単純泉のカテゴリーでは無かった事が逆に悩ましい。

昨年の秋口のある日の午後10時、突然大きな声が。
出ていくと作業着姿の女性が二人・・・保健所職員さんでした。
「ここの温泉は正しく使用してますか?」と聞かれ、
何が起こったのか全く訳が判らずかなり困惑しました。
今迄温泉だけはよい評価を得ていた筈の我が宿が、この日から「危険な温泉」となり、奈落に落ちた様な気持ちに・・・
その後、毎週のように保健所など様々な役所が現れ
硫化水素の値を測り、そして指導を繰り返されました。

まずオーバーフローしてませんね?と指導され、もちろん湯の流し口は有りましたが一部だけではダメという事で、その部分はすぐ改修。
そして、一番大切なお客様へは直接的な注意喚起を行って参りました。

昭和58年、設備構造等に関する基準というものが、温泉法を持っている環境省により公示されました。そこに、温泉の硫化水素の基準値も示されている。
正直論拠はわからない・・・
残念ながら、我温泉の数値は基準値よりも高い。
そこでの指導という事になる訳で・・・・
「窓開けて下さいね」とか
でもいくら窓を開けていても、数値はその時々で移ろい、彼等が示す数値は一時的には出るかもしれませんが継続出来るものでは無い。
だって、根源の温泉が硫化水素を出し、かけ流しという事で常に新しく入れているのだから。
昨年の時点で、大学の先生、温泉研究者、建物の換気の専門家の方に相談していました。
これが中々難しく、時間が掛かる中新年を迎えました。
そういえばどうなったのかな?静かだね?なんて言っていたらやはり又役所が訪れ・・・

そんな中、相談していた温泉の専門家に「ここが一番努力してないよね?」と。
流石にこれが一番堪えました。その時迄に出来る事をし、対処に向け相談していたのですから。
保健所の自然換気(窓を開けろ)という指導もヒートショックや、床面の凍結という冬期間の違った面での危険性が増すのではないかという風に思え、かなり悩みましたが、冬期間お休みという判断をさせて頂いておりました。

その間、改めて色々な方にご相談しご協力頂き実験。
でも、一長一短の繰り返し。その日の風向きや風力そして気圧、全く数値が変わります。
実際それじゃダメな筈なんです・・・
公示文書の数値を全てクリアするのは難しい。
正直その数値を出すには、かけ流しを止めるか、外で一度湯を晒し完全抜気をし、ぬるくなった温泉を加温するしか無いのではないか?

私共はここで100年こうして温泉宿を営んでいます。
もし、お役所の方がいうように本当に危険な温泉であるのならば
沢山のお客様、そして私達がこうして毎日湯を利用できなかったのでは?

ただ、そんな経験則はお役所の公示文書の元ではなんら役に立たず・・・

かなり凹み、悩ましい日々をすごしておりました。
こうしてお話する事で、お越し頂けない方もいらっしゃるかも?とも考えました。
ですが、休業中お客様からのご質問も多く、一度きちんとした形で今言える事をお話しなければと思っておりました。

春からの完全営業に向け、今出来る対処をしました。これが今は精一杯です。
今後も営業を継続した中で、新たな対処法を模索していく所存です。

もしかしたら、ここ数年でここの温泉も利用が難しくなるのかもしれません。
許される内は、少しでも長くこの雌阿寒の恵みを慈しんでいきたい、それが今の願いです。
長文申し訳ございませんでした。


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posted by 塾長 at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
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