冬山塾史上初めてという位の好天!
スタッフ、参加者合わせ11名+1匹で出発
3合目・・・遥か彼方にニペソツや大雪連山の眺め。
歓声や笑顔が広がる。
まさしく雲一つない。気温も高く冬山塾で初めて汗

大沢でアイゼン装備。
フップシは雪一つない。
その後順調に歩を進める。
今年は雪が少なく、思ったより斜面もゆるい。
本当に順調だった・・・
8合目手前、調査機関の機器があるなだらかな休憩地点までもう少し。
斜面が少し硬くなって来た。
途中別パーティーの3名の女性と一緒に。
そこで、事故が起きた。。。
前を進んでいたメンバーとチロル。
声が聞こえた・・・と同時にチロが滑って来た。
最初はいつもの様にふざけて遊んでいるだけ?と思ったが
一回転し、直ぐに制御不能になっていると分かった。
恐ろしいほどのスピードで落ちていった・・・
どうしよう〜〜と思っている間もなく、合流した女性が目の前を滑落。
岩の前、止まって!!の声が響く。
でも、又下へ滑ってしまった。
女性の姿も、チロルの姿も私には見えなくなっていた。
200m以上滑落して行ったチロル。
もう・・・本当にもうダメだと思った。
私自身、膝がガクガク震え動けなかった。
すると、田村隊長含め皆が直ぐに行動を起こしてくれた。
かなりの距離、何も見えない中不安が募る・・・
やがて、滑落した女性が我が隊のメンバーと下山する姿見えた。
ほっとした。
それからどの位の時間が流れただろう、記憶が無い。
姿が見えなくなっていたチロルが隊に合流したと連絡が入った。
道なき道を必死に人の声を頼りに戻って来た。涙が出る。
30分程して、私もチロルと合流。
顔面や肢の出血はあったものの、取り敢えず大きなケガは無さそうだった。
静かに静かに下山を始める。
5歩進むと立ち止まる。だましだまし3合目まで下りたが限界。
そこからしばらくおんぶをして進む。
それも限界。横になり立つ事すらしない・・・
2合目から隊長が簡易担架を作ってくれ、合流した参加者
そして、他の登山者の方6名でチロルを搬送してくれた。
ようやく家に着いたチロルは自力で立ち、水を飲みまた横たわった。
しばらくすると、与えたパンをかなりの勢いで食べた。
大丈夫か???
手持ちの抗生剤と痛み止め、傷に軟膏を塗り様子を見ていた。
凄かった、本当に凄かった。
相当痛かっただろうし、怖かっただろう。
山が好きと言うよりも、山に登る人が好きなチロルは
私達に合流する為に、がんばって登って来た。
人間は簡単に行けないような場所だった。
同時に滑落した女性は手にかなり損傷を負ったようだが、
下山後すぐに救急搬送。
実は、その日別な事故が阿寒富士側で起こりヘリ搬送されていた。
その為、そこにたまたま待機していた救急車に乗車で来た。
それも良かった。
小さな小さなめあかん自然塾。
冬山に挑戦したいけど、ハードルが高いな〜〜
と感じる方の為、少人数で、マンツーマンで慣れた登山者をと実施してきた。
けど、私自身いざという時に誰一人助けるスペックはない。
他のスタッフの方々にただ頼り負担を掛けているだけなのです。
怖かった。
でも、みんなが助けてくれた。
山男はみな優しい。
でも、他者を助けるという事は、自分の身を削る事なんだ・・・
下山中、参加者の方に「この事で止めないでくださいね」と
励ましの言葉を頂いた・・・心に染みた。
今後の冬山塾の開催の事を改めて考えている。
少しでも安全を担保して行く為にはどうすればいいのか?
どんなに事前に準備しても事故はあるかもしれない。
これから皆に相談し答えを出そうと思う。
きつい丘陵を登り終えた後の3合目の景観は一度見たら忘れられない。
そんな所を見て欲しい。
こんなへっぽこでも登れるだから。。。
あっ!山は甘く見てはいけないんだ〜
田村隊長、スタッフの皆さん、参加者の皆さん
ご迷惑、ご心配をお掛け致しました。
偶然お会いした登山者方・・・
チロルの為に沢山の装備を御貸し頂きありがとうございました。
陳謝です・・・
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