『雌阿寒岳の自然と山麓に生きる野生動物』
基調講演はノルウェー自然科学研究所のダンカン・ハリー博士。
「阿寒ー世界遺産に値する世界有数の国立公園」と題され講演は行われました。
ハリー博士は90年代に研究員として北海道大学に在籍されていて、
エゾシカの生態研究等もされていたので、雌阿寒の動物の生態も熟知されてる。
まずは、博士自身が実際に阿寒、足寄で見た動植物をスライドで紹介。
普段姿を見る事は出来なくても、沢山の鳥や動物が生息している。

雌阿寒ポンマチ火口を舞うアマツバメ。
噴火火口に巣を造るというのは世界的に見ても大変珍しい事なのだそうです・・・

そして、ハリー博士が行ってきた様々な活動の紹介。
ご自身がヨーロッパで行った絶滅したビーバーの再導入。
そこから、60年代北海道で絶滅してしまった「カワウソ」を再導入出来るのでは?と提言。
これは、博士ならでは!大変興味深いお話でした。
現在、ハリー博士が取り組んでいる仕事の一つがヨーロッパの風力発電開発の
環境、生態、主に鳥類への影響の調査。
自然エネルギーを先に取り入れているヨーロッパ諸国の失敗例を出しながら、
日本では、その轍を踏まず行って欲しいと語る、博士。
風力だけではなく地熱でも景観や今後起こり得る事象に充分配慮するべきだとお話して下さいました。
質疑応答の中ではありましたが、他国で国立公園内に地熱発電所が造られた例は無いとの話も聞く事が出来ました。
メインテーマである「世界遺産に値する阿寒国立公園」というお話はまさに圧巻。
火山活動そしてそれが造り出した景観や自然、アイヌ文化、化石・・・
その全てで雌阿寒、足寄地区は世界遺産の価値が充分あると力強く語って下さいました。
実際様々な国、地域を見ている博士の言葉は重い。
今回、私達はスコットラン人ダンカン・ハリー博士の眼から見た雌阿寒を見せて頂き、
まさに眼から鱗という事も沢山有りました。
そして、ハリー博士自身の雌阿寒に対しての愛も充分伝わってくる内容でした。
実現出来る事、実現出来ないかもしれない事、そして実現する為に努力しなきゃいけない事・・・
これから私たち自身が考え行動していかなければいけないと痛切に感じます。
遠路遥々お越し頂き、素晴らしい講演をして下さったダンカン・ハリー博士、
そして通訳でもご活躍頂いた佐智子夫人に改めてお礼申し上げます。
又、大変お暑い中、町内はもとより様々な地域からお越し頂きました参加者の皆さま。
大変ありがとうございました。
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阿寒国立公園が世界遺産になる資格充分であというるハリー先生の他の世界遺産を交えた講演は素晴らしかったです。
いつも身近に見ていた弟子屈・阿寒・足寄の自然も結構なモノだったのですね。
NHKプロジェクトXで見た釧路湿原の国立公園化アピールのような実地作業があればぜひぜひ呼んで下さいね(笑)。
私自身、幼い頃からこの自然があって当たり前で、特別素晴らしい〜〜などと意識せずに暮らしてきました。
ふと気付くとその大切なものが観光という名のもと、防災という名のもとに開発が行われています。
私達が出来る事は少ないかもしれませんが、まずは地元の方を含め多くの方に現状を知って頂きたいと思っています。
自然を守る!なんておこがましいのですが、少しでも大好きなアカエゾマツの純林を維持できればと思います。
これからも、ご協力お願い致します。